Topics 骨折(Bone Fracture)
■レッグ・ペルテス病とは

レッグ・ペルテス病とは、大腿骨頭の非炎症性無菌性壊死と定義される病気です。

股関節形成不全と異なり、若い小型犬に多くみられ、大腿骨頭への血流が阻害されることで骨頭が壊死をおこします。血流が減少する理由ははっきり分かっていませんが、ホルモンの影響、遺伝素因、解剖学的構成、関節包内の圧力の増加、大腿骨頭の梗塞などが考えられています。

経堂の動物病院 [川瀬獣医科病院] 一般的な骨折治療

<両側発症した例>

川瀬獣医科病院
■症状・治療

患肢を痛がり、肢をかばって着地を避けるようになります。

小型犬に起こる病気であることから、治療としては大腿骨の骨頭部分を切除する、大腿骨頭切除術を行います。
体重の軽い小型犬の場合、手術で関節を取り除いたあとには線維性の偽関節が形成され、ほとんどの犬では筋肉の回復とともに生活に充分な機能を取り戻すことができます。

患肢の機能の回復は個体差が非常に大きく、術後数日で肢を使い始め、ほぼ正常な機能を取り戻す犬から、数ヶ月後まで肢をかばう犬まで様々です。
早期の良好な機能回復のためにも、術後早期からのリハビリが望ましいでしょう。

経堂の動物病院 [川瀬獣医科病院] 小型犬の橈尺骨折

<術後>


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股関節形成不全 Canine Hip Dysplasia(CHD)
■股関節形成不全とは

股関節形成不全は、犬の遺伝性疾患の中でも最も一般的な疾患です。

股関節は、骨盤側の寛骨臼と、それにはまり込む球状の大腿骨頭からなっています。先天的に寛骨臼のくぼみが浅かったり、骨頭と寛骨臼の間の靭帯が緩かったりすると、骨同士がぶつかって炎症が起こり(変性性関節疾患:DJD)、痛みを感じるようになります。

好発犬種としてはセントバーナード、ニューファンドランド、バーニーズマウンテンドッグ、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、フラットコーテッドレトリバー、ジャーマンシェパード、オールドイングリッシュシープドッグ、グレートピレニーズ、イングリッシュスプリンガースパニエルなどが知られています。大型犬のなかでも、体型がまるくずんぐりした、脂肪の多い犬種に多く発症する傾向があります。これらの犬種では、筋肉の発達が悪く、腱と靭帯の間に脂肪が入り込むことと関係しています。

経堂の動物病院 [川瀬獣医科病院] 股関節形成不全とは
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■原 因

選択繁殖によって発症を減らせることなどから、遺伝性の疾患であることは分かっていますが、現在はまだ原因遺伝子の特定はできていません。また、遺伝のみでなく、成長期の環境によって症状が悪化することが知られており、発症に至るまでに遺伝要素が7割、環境要素が3割と言われています。ある研究によれば、一歳までに好きなだけ食べさせた犬と、食餌の量を制限した犬では、股関節形成不全の発生率にはっきりとした差がでています。成長期の肥満のほか、偏った食餌や、過剰なカルシウム(ドッグフードにカルシウムを足すなど。多くのドッグフードには必要量以上のカルシウムが含まれています)などの栄養要因も症状を悪化させる一因になります。

経堂の動物病院 [川瀬獣医科病院] 原 因
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■症 状

・痛み:運動をしたがらない、階段をのぼれない、ジャンプや早足を嫌がる、びっこをひく(歩き始めに目立つのが特徴)
・異常歩行:がに股、円を描くような動き、うさぎ跳び(両側の痛みがある場合)
・大腿部の筋肉の萎縮:股関節が出っ張り、腿の筋肉が発達しないため、後ろから見たお尻のシルエットが箱型から逆三角形に見える

股関節の痛みは、成長期(生後5〜6ヵ月位)に突然現れることがあります。この痛みは寛骨臼縁の微細骨折が原因といわれており、通常1歳前に痛みはいったん治まります。しかし股関節の形成不全が治ったわけではなく、関節内では徐々に変形が進行しているので、加齢とともに変形・炎症が進めば再び痛みがでることになります。

股関節形成不全の症状が出ていても、飼い主の約半数は気付かないと言われています。股関節形成不全の疑いがあったら獣医師の診察を受け、必要ならレントゲンを撮ってもらいましょう。ただし、少なくとも生後4ヶ月を過ぎないと診断をすることはできず、確実な診断ができるのは生後7〜8ヶ月以降になります。

経堂の動物病院 [川瀬獣医科病院] 症 状
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■予防策

一番の予防策は、健全な股関節を持つ犬同士での繁殖計画を組むことです。海外では、繁殖計画に股関節の検査を取り入れることによって、発症率を大幅に減らすことに成功しています。仔犬を購入する前にブリーダーもしくはペットショップと話し合い、両親犬および血縁の犬が股関節の検査を受けているかどうか、股関節形成不全の素因がないかどうかをよく確かめましょう。

股関節は、誕生時にはほとんど形をなしておらず、成長とともに受け皿(寛骨臼)とそこにはまり込む球(大腿骨頭)が徐々にできていきます。大型犬の場合、骨が完全に成長を止めるのは生後1年すぎです。股関節形成不全の犬の場合は、成長期の肥満や運動、栄養などの条件により、関節炎を悪化させてしまう可能性が高くなります。そのため、特に成長期の肥満には注意が必要です。仔犬は、生後3〜4ヶ月まではおなかがぽっこりふくれた赤ちゃん体型をしていますが、それをすぎたら痩せ気味の体型を保つよう注意しましょう。また、自転車運動などの激しい運動や、フローリングなどの滑りやすい床も、関節への負担を増すことがあるので注意が必要です。

経堂の動物病院 [川瀬獣医科病院] 予防策
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■診 断

股関節の検査には、レントゲン検査が必須です。症状や、触診、視診によって分かることもありますが、それだけでは分からない場合が多々あります。股関節形成不全を疑う場合は、動物病院でレントゲン検査を受けてください。

股関節のレントゲンの評価には、豊富な知識と経験が必要です。そのため、より正確な評価を得たい場合は専門医による評価が有用となります。現在、代表的なレントゲン診断・登録機関としては次の3つがあり、所定の手続きを経てレントゲン写真を送付すれば、専門医の診断評価を得ることができます。

@JAHD Network(日本動物遺伝病ネットワーク:日本)
AOFA(Orthopedic Foundation for Animals:アメリカ)
BPennHIP(Pennsylvania Hip Improvement Program:アメリカ)

JAHDおよびOFAに評価を依頼する場合は、股関節の伸展像(仰向け)レントゲン1枚が必要です。これらの機関に評価を依頼すると、各機関に血統書番号が登録され、JAHDの場合はポイント評価(左右各0〜45、計0〜90)、OFAでは7段階評価(excellent, fair, good, borderline, mild, moderate, severe)が得られます。

OFAは筋肉を弛緩させるため麻酔下での撮影を勧めていますが、当院では麻酔をかけることはほとんどありません。ただし、完全に左右対称の写真が必要となるため、どうしても動いてしまう場合は麻酔が必要になることがあります。あらかじめお電話でご相談下さい。

ペンヒップ(PennHIP)は、前記2つとは異なり、麻酔下での股関節の緩み、及び変性性関節疾患の有無をみる検査です。ペンヒップを希望される場合は、必ず事前に予約をしてください。

経堂の動物病院 [川瀬獣医科病院] 診 断
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■治 療

股関節形成不全があっても、軽症の場合や痛みがない場合には、体重や運動量を制限して負担を軽くし、サプリメントなどを取り入れることである程度進行を抑えることができます。しかし、関節炎がひどく痛みがある場合や関節の変形が重度の場合は、手術が必要になります。

股関節の骨関節炎による症状を抑えるための手術としては、大腿骨頭切除術と股関節全置換術があります。

大腿骨頭切除術は、名前のとおり大腿骨の骨頭を切り落とし、関節をなくしてしまう手術です。関節がなくなった後には線維性の「偽関節」ができ、支えになります。骨同士が擦れ合うことがなくなるため、炎症や痛みも効果的にとり除くことができます。ただし、偽関節の強度には限界があるため、主として20kg以下の犬猫に用いられます。

股関節全置換術は、股関節を形成する大腿骨頭および寛骨臼を除去し、人工関節に置き換える手術です。股関節全置換術にはセメントを用いるセメント方式と、セメントを用いないセメントレス方式がありますが、当院では、チューリヒ大学で開発されたチューリヒ・セメントレス方式の股関節全置換術を行っています。2000年よりチューリヒ大学のモンタボン教授を招き、同教授参加のもと、いくつかの動物病院と連携して、現在までに80症例の手術を実施してきました。チューリヒ・セメントレス方式は日本およびアメリカ、ヨーロッパにおいて、従来の手術法と比較して安定した成績を収めています。

骨関節炎のある股関節においては、股関節全置換術がもっとも効果的に痛みを取り除くことができ、95%の犬が正常な関節機能を獲得し、80%は片足のみの手術で良好な肢の機能を得られるとされています(セメント法でのデータ)。

人工関節は大腿骨ステム、ヘッド、および寛骨臼カップからなります。始めに大腿骨頭を切り落とし、大腿骨にステムを埋め込み、螺子(ネジ)で固定します。寛骨臼も専用の器具をもちいて掘り広げ、カップをはめ込み、適切なサイズのヘッド&ネックを装着します。これによって正常な股関節とほぼ同程度の機能をもつ人工関節ができます。実際の股関節では大腿骨頭と寛骨臼の間に靭帯がありますが、人工関節では靭帯が存在しないため、術後は通常2ヵ月間の安静が必要となります。

経堂の動物病院 [川瀬獣医科病院] 治 療

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